■産業用エリアカメラを用いた「走行型連続画像計測システム」の概要
鉄道トンネルやモノレール軌道桁など線状構造物の点検の多くは、近接目視により実施され、調査だけで多大な時間を費やし、本来の補修工期を圧迫する課題がありました。
最近はこの近接目視検査に代替する技術として,ビデオカメラによる走行型画像計測システムがあります。この方法は走行しながら撮影した構造物表面のビデオ画像を静止画に変換し展開画像を作成するものですが、この手法では、画質劣化は否めず、また複数台のカメラの同期も取れず、後処理に時間を要するなどの課題がありました。
一方、製造ラインでの画像検査として用いられる産業用エリアカメラは、小型、高精細、高フレームレートを実現し、PCにダイレクトで接続が可能です。しかしこの産業用エリアカメラを、公共構造物の検査に適応するためには、撮影諸条件で不利な課題を解決する必要がありました。
今回この課題解決に対して室内実験などでカメラの特性を明らかにし、当社では、画質劣化のない「走行型連続画像計測システム」を開発しました。本システムは、複数台の産業用エリアカメラを時間軸で管理可能で、撮影解像度の異なるカメラ画像から、画像品質を一定に保持した展開画像を作成するための幾何補正システムを構築することにより、曲面や屈曲断面での正確な展開画像の作成を可能にしています。このシステムを、モノレール軌道桁、道路トンネルで検証し、従来のビデオカメラに比べより「鮮明な画像取得」が可能であること、および後処理工程においても大幅に解析作業日数を短縮することができることを確認しています。
■システムの流れ

■システムの特長
高速撮影(速度20km/h)が可能 → 点検作業の大幅な効率化 |
得画像が高解像度(1平方メートルあたり200万画素)であるため、
ひび割れ等の劣化情報の判別が容易。
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専用システムによる自動画像合成で、連続画像取得の処理時間を短縮 |
■システムの構成
基本システムは産業用エリアカメラ(200万画素−1画素4.4μm)と、非圧縮画像録画システムによって構成されます。本システムは、軌道系やトンネル撮影を想定し、複数台のカメラ同期が可能で、時速20km/hrで連続して画像を撮影(秒15フレーム撮影)できるIEEE1394接続の産業用デジタルカメラを用いています。
■システムの仕様
使用カメラ |
IEEE-1394b産業用エリアカメラ(200万画素) |
カメラ台数 |
16台同期 |
パソコン台数 |
2台 |
録画時間 |
連続120分間(外付HD) |
フレームレート |
15fps |
画素数 |
1600×1200pixel(カラー) |
出力形式 |
Raw,bmp,jpg |

システム構成図 |
■画像幾何補正システム
撮影される画像は、壁面に対し斜め方向からの撮影となるため、歪んだ画像となります。また、撮影距離、角度の違いによって個々のカメラで撮影解像度が異なるため、複数のカメラ画像から精度よく展開画像を作成するためには、撮影解像度をほぼ一致させて、その後、正対した画像に補正する必要があります。
そこで、あらかじめグリッドを設定したCGモデルで、各カメラの配置とレンズ焦点距離のシミュレーションを行い、ほぼ一定の撮影解像度になるよう設定した後、アフィン変換により画像の幾何補正を行います。これら一連の処理を画像幾何補正システムとして構築しています。 |

幾何補正システム画面 |
■画像管理データベースシステム
本システムでは、調査結果(撮影画像や損傷データ)が膨大となるため、それらを格納し、検索が可能なデータベースシステムを構築しています。経年的に調査結果を蓄積することにより、ひび割れ等の変状の進展や、補修箇所の検討に利用することが可能です。
当社では、これまで軌道桁調査における「桁管理システム」や、トンネル壁面調査における「調査結果閲覧システム」等を構築しています。
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