『史跡原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)総括報告書』作成業務について
本業務では、国史跡の原爆ドームについて特別史跡指定に向けた意見具申の際に必要となる総括報告書の作成・刊行を支援しました。原爆ドームの保存・整備に関する記録を取り扱った既刊の刊行物は多数ありますが、これまでに実施された全ての保存整備工事やその技術的検討過程、基礎的な記録調査について網羅的に取り扱い、各種事業相互の関連性やそれらの現代的な評価についてとりまとめた報告書は刊行されておらず、保存・整備事業の全貌が把握しづらい部分がありました。本報告書は、これまでの保存整備の内容や修復方法、調査についての諸事例と、その過程で得られた知見を整理し、今日的な水準から見た原爆ドームの文化財的価値について取りまとめることを目的として作られています。
報告書は、第1編(報告書編)・第2編(保存活用計画編)・資料編の三部で構成されており、資料編には、開催された委員会での検討資料等、当時のオリジナル資料をpdfデータとして格納しています。各オリジナル資料ごとに、その概略をまとめた帳票を1枚作成しており、帳票で概要を把握・検索して、詳細内容は付録DVDに格納されたオリジナル資料を閲覧する、という使い方が考えられています。付録DVDでは、関連する委員会資料や事業へのハイパーリンクを設定することで、双方向への検索も可能としています。
本報告書の作成は、広島市教育委員会(文化振興課文化財担当が補助執行)が主体となって行い、当社は、過去の記録類の電子化と整理、報告書全体の編集と付録DVDデータの作成を担当しました。刊行された報告書は、広島市内の主要な図書館及び公文書館、各都道府県立の中央図書館などには寄贈しているとのことですので、機会がありましたらぜひ、お手にとってご覧頂きたいと思います。
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史跡原爆ドーム(旧広島県産業奨励館) |


